請負工事金額に材料費が入る?入らない? その2

前回に引き続き、建設業の工事金額の中に材料費が含まれるのか、どうなのか?
について実際の相談事例に基づいて考えてみたいと思います。

ある入札案件で、公共施設の新築工事を元請(特定建設業者)が受注し、各専門の
建設業者に下請けに出しました。太陽光発電パネルの設置工事(材料費1600万円、工事費300万円)を受けたいと考えている電気工事業者A(建設業許可未取得)は、このままでは工事金額1900万円となり、受注できません。

そこで、以前より取引関係にある太陽光発電パネル販売・施工業者B(一般建設業者)に間に入ってもらい、Bに下請けとして太陽光パネルの販売及び施工を行なってもらい、Aは設置工事(300万円)を行なう契約で工事の受注ができるのではないか
・・との相談でした。

今回の場合は、元請の下に一般建設業者Bが太陽光パネルの販売&施工として1次下請
契約を結び、建設業を営むA(建設業許可未取得)が工事の為2次下請契約を結んで、
協同で工事を請け負うケースです。
Bが請け負うのは、パネル材料費1600万円と施工工事10万円という内容です。
AはBよりパネルの設置工事290万円を請負います。

このケースの場合は、工事の金額はそれぞれ単独で契約した金額のとおりとなるので、Aは工事費が290万円で500万円を超えていないので、この工事を受注することが
できます。
今回のスキームでは、元請からBが1900万円の工事を請け負い、その後Aが取り付け
工事のみをBから請け負う(290万円)という内容で問題なく受注契約が結べることに
なりました。
それぞれの工事の金額については、各請負契約書に取り決めた金額が基準となります。このように、請負契約を結ぶ場合でも、そのやり方が異なるとまったく違う結果が生まれてくるため、最初の段階でのスキームの構築を正しい判断で行なうことが求められてきます。