注意!!もし役員に執行猶予がついたら建設業許可は取り消しか?

建設業者の方は、特に注意するべきことがあります。会社の役員の一人が、もし交通事故やスピード違反、飲酒運転等で執行猶予判決が確定した場合どうなるのか?について考えてみたいと思います。傷害罪や暴行罪などではなく、単にスピード違反等であったら、それほど業務に影響を及ぼすことではないと思う方も多いのではないか?と思います。
しかし、これが会社にとんでもない影響を及ぼすことがあります。建設業法で「欠格要件に該当しないこと」と規定されています。現在建設業許可を受けて仕事をしている会社の役員の一人がこの「欠格要件に該当」すれば、許可取り消し処分となってしまい、現在受注している仕事が出来なくなるばかりか、取引先、従業員、家族にも多大な損害を及ぼし、会社の存続にも影響を及ぼしかねません。これが許認可を受けなければ、業務を行なうことができない業界の怖いところでもあります。もちろん禁錮以上の罪の場合はその刑の執行が終わった日から5年、また執行猶予は明けた日から許可の取得はできますが、それまでに発生した損害は計り知れないものがあります。執行猶予については隠すこともできませんし、仮に執行猶予のついた役員を辞めさせても行政手続法上、建設業許可の取り消しはまねがれません。そのため、建設業者(会社の代表者・個人事業主)は交通違反・事故等にも細心の注意を払い、役員などへの意識の徹底を図っていくべきです。勿論、現場における社員間のいざこざや傷害事件などには注意が必要です。

また、他の許認可である産業廃棄物業者である会社がこのような欠格事由により営業許可取り消し処分を受けた場合に、その会社に他にも役員がいた場合には、その役員自身は何も違反をしていませんが、その後、自分で産業廃棄物許可を取得しようとする場合には、以前所属していた会社の刑が終了してから5年が経過しないと許可が取れないことになります。このように多くの人に迷惑をかけてしまう結果となってしまいます。
このように許認可を受けて業務を行なう業種は他の業界と比べて非常に厳しい対応となる為、より慎重な姿勢で業務を行なわないとなりません。

欠格要件にあたる刑罰としては、「禁錮以上」、以下の刑法上の罪による罰金、204条の傷害罪、206条の現場助勢罪、208条の暴行罪、208条の3の凶器準備集合罪、222条の脅迫罪、247条の背任罪、及び建設業法等違反による罰金等です。
当事務所では、行政手続法においての対応策についてもノウハウがありますので、お困りの際はご相談ください。